私はかつて、経営のプレッシャーと孤独の中でアルコール依存症に陥り、長い回復の道を歩んできました。
断酒を続けて11年。今では、自分の経験が誰かの役に立てるのではないかという想いから、この団体を立ち上げました。
日本は飲酒に寛容な文化が根づいており、「お酒に強いこと」が美化される傾向すらあります。
しかし依存症は、だらしなさや意志の弱さではなく、脳に変化が起こる“病気”です。
私自身も、医療機関を受診しましたが、生活習慣の改善や一時的な対症療法が中心で、依存症そのものへの根本的なアプローチや継続的な支援にはつながりませんでした。
「同じことを繰り返してしまう人を、一人でも減らしたい」……その思いから、2025年にヘルスケアマネジメント協会(ヘルケマ)を設立しました。
現代はストレス社会です。
アルコールや薬物、ネット・ゲーム、オンラインカジノなど、新たな依存症が若年層にも広がっています。
にもかかわらず、正しい理解や予防教育、早期支援の体制はまだ十分ではありません。
ヘルケマは、依存症を予防し、回復を支え、社会復帰を後押しする「3つの予防」(発生・進行・再発)を柱とし、行政・企業・学校と連携して、広く啓発と支援を行っています。
私は経営者として、孤独や責任感の中で依存症に陥りました。
同じように、誰にも相談できずに苦しむ経営者が多くいることを知っています。
だからこそヘルケマでは、企業経営者やビジネスパーソンの心のケアにも注力しています。
メンタルヘルス支援やストレスマネジメント、そして依存症に陥る前の早期対応が、企業の健全な成長にもつながると信じています。
私たちは、一人でも多くの方が依存症の苦しみから解放され、自分らしい人生を取り戻せるよう、支援を続けてまいります。
依存症を経験した一人として、そして誰かの力になりたいと願う一人として。
一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会
代表理事 今野 義隆