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アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、飲酒を続けるうちに耐性・精神依存・身体依存が形成され、飲酒のコントロールができなくなる状態を指します。アルコール依存症になると、健康・仕事・家庭関係など、さまざまな問題が生じます。

この病気の特徴を一言で表すと、「飲酒のコントロールがきかないこと」です。

例えば、以下のような状況が挙げられます。

・飲んではいけない場面で飲んでしまう。

・「今日はほどほどにしよう」と思っても、酔いつぶれるまで飲んでしまう。

・飲みすぎによって健康を害しているにもかかわらず、やめられない。

しかし、アルコール依存症は専門的な治療や支援を受けることで、回復し、社会復帰することが可能です。

それにもかかわらず、専門治療につながっているのは、依存症とされる人のごく一部に過ぎません。多くの人が問題を根本的に解決できないまま、内科への入院を繰り返したり、家庭崩壊や失職に至ったりするケースが後を絶ちません。

依存症に対する誤解や偏見をなくし、相談・治療・回復の受け皿を充実させることが、社会全体に求められています。


WHOのスクリーニングテスト「AUDIT」

AUDIT

AUDITは1990年代初め、WHO(世界保健機関)がスポンサーになって作成された飲酒問題のスクリーニングテストです。

多くの国で使用され、地域、年齢、性の違いを超えて高い妥当性が報告されています。

設問に答えることで、危険な飲酒やアルコール依存症の疑いがわかります。

あなたの場合はどうでしょうか。チェックしてみましょう。

なお、設問2と3に出てくる「単位」について説明しておきます。

「アルコールの1単位=純アルコール20グラムを含む酒類」をさします。



合計点が09の人は

【危険の少ない飲酒 青信号】

今のところ、危険の少ない飲み方です。

今後も飲酒する場合は、1日1単位まで。多い日でも2単位は超えないようにし、週に2日は休肝日を心がけてください。

合計点が1019の人は

【危険の高い飲酒 黄色信号】

いまの飲み方を続けていると、あなたの健康や社会生活に影響が出るおそれがあります。

適度な飲酒の目安は1日1単位まで。多い日でも2単位は超えないようにし、週に2日は休肝日をつくりましょう。

ただし、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肝機能障害などの生活習慣病がある場合は、飲酒が病状を悪化させるおそれがあります。2週間の禁酒をして、お酒が体に与えた影響を確かめてみましょう。

合計点が2040の人は

【アルコール依存症の疑い 赤信号】

アルコール依存症の疑いがあるため、節酒はむずかしく、断酒が必要と思われます。

飲酒の悪影響は、健康だけでなく、家庭や職場での生活にもおよびます。一度、アルコール依存症の専門医にご相談されることをお勧めします。

出典:特定非営利活動法人ASKホームページ (https://www.ask.or.jp/article/6022/)


アルコール依存症 相談先一覧

精神保健福祉センター

※「こころの健康センター」などの名称のところもあります。

各都道府県や政令指定都市の精神保健福祉センターに、アルコール依存症や関連問題を含むアルコール健康障害についての相談窓口があります。地域の医療機関や自助グループについての情報も得られます。

多くのセンターで、集団治療回復プログラムや、家族の心理教育プログラム、家族会なども行なわれています。


保健所

アルコール問題についての個別相談に加え、家族のためのグループなどを実施しているところもあります。医療・教育・介護・福祉・警察などさまざまな関係機関との連携も進みつつあります。

地域の保健所に問い合わせてみましょう。


医療機関

アルコール依存症の専門治療プログラムがある医療機関にかかることをお勧めします。

本人が受診しなくても、まずは家族のみで相談することができ、本人に治療をすすめるためのサポートが得られます。

医療機関を探すには、精神保健福祉センターや保健所で紹介してもらう、ネットで検索する、などの方法があります。


自助グループ

断酒会

日本独自の、アルコール依存症の自助グループ。

会員制の組織で本名を名乗ることが原則。

全国各地で断酒例会が行なわれており、例会には家族も参加できる。

家族会、シングル(単身者)、アメシスト(女性)、虹の会(身体障害を持つ人)などテーマ別例会もある。


AA(アルコホーリクス・アノニマス)

アメリカで誕生し、世界各国に広がったアルコール依存症の自助グループ。

アノニマスは「無名の・匿名の」と訳され、本名を名乗る必要はない。

全国各地でミーティングが行なわれている。

ミーティングは基本的に本人のみだが、「オープン・ミーティング」には、家族や関係者をはじめ誰でも参加できる。

女性限定のミーティングや、「ヤング」「英語」「LGBT」などの特別ミーティングも開催。


アラノン

アルコール依存の問題を持つ人の、家族と友人の自助グループ。

全国各地でミーティングが行なわれている。家族自身の回復を目的としている。


家族の回復ステップ12

アルコールの問題を持つ人の、家族と友人の自助グループ。

各地でミーティングが行なわれている。本名を名乗る必要はない。


ファミリーズアノニマス

アルコール、薬物、ギャンブル、買い物、ネット、ゲーム、スマホ、摂食障害など、家族や友人に依存症の問題を持つ人のための自助グループ。



依存症オンラインルーム「ルームA」「ルームD」


ASK認定依存症予防教育アドバイザーが主宰するアルコール依存症のオンライン自助グループ。

Skypeチャットと、Zoomミーティングを開催。

ルームAはアノニマス系。ルームDは断酒会系で、女性当事者、家族のルームも。

出典:特定非営利活動法人ASKホームページ (https://www.ask.or.jp/article/6489/)