「こころに寄り添い、希望あふれる未来を創る」
受付時間:平日10:00~17:00

アルコール依存症の治療拠点を初指定 福井県、ギャンブル依存症専門医療機関も

福井県はアルコール依存症治療拠点機関に福井県立病院(福井市)と精神科病院の嶺南こころの病院(若狭町)を県内で初めて指定した。専門的な医療を提供し、医療機関を対象に依存症に関する研修も行う。ギャンブルの依存症専門医療機関には嶺南こころの病院を選定した。医療機関と相談機関や民間支援団体との連携強化に力を入れる。

 依存症は、アルコールやギャンブル、薬物などが「やめたくてもやめられない」状態となり、日常生活や仕事、健康に重大な支障を及ぼす精神疾患。県内では精神科病院や診療所で治療を受けられる体制になっているが、より専門的な医療を提供するため、県は2020年、アルコール依存症の専門医療機関に嶺南こころの病院を選定した。

⇒元「TOKIO」山口達也さんが振り返るアルコール依存症

 専門医療機関は、厚生労働省の通知に基づき▽アルコール健康障害▽薬物依存症▽ギャンブル等依存症―の3種類。専門性を持つ医師による入院・専門プログラムによる外来医療を行っているかや、特定の研修を受けたスタッフがいるかなどを基準に都道府県が選定する。さらにその中から、医療機関を対象に研修を行うことなどを基準に治療拠点機関が指定される。

 県は県庁で開かれた3月24日夜の県医療審議会で、県立病院をアルコール依存症の専門医療機関に選定した上で治療拠点機関に指定し、嶺南こころの病院をアルコール依存症治療拠点機関、ギャンブル依存症専門医療機関にすると報告し、承認された。

⇒依存症 弱さ、正直に分かち合う 共感が仲間を支える

 厚生労働省の精神保健福祉資料によると、県内の依存症患者(21年度)は、アルコールの外来830人、入院371人、薬物は外来113人、入院33人、ギャンブル等は外来14人だった。県障がい福祉課は今回の指定・選定について「自助グループや家族会といった民間団体、相談機関との連携も深まる。さまざまな問題を抱える患者を支えるネットワークを強化していきたい」とする。

⇒バカラ1日500回、借金繰り返し職場から150万円着服

 県は依存症全般に関する相談拠点機関として県総合福祉相談所(福井市光陽2丁目)=電話0776(26)4400=を選定している。県内各地の保健所や県健康福祉センターでも相談を受け付けている。

出典:2025年3月26日福井新聞 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2271900