情報通信・農業分野で企業を経営する傍ら、自らの依存症回復の経験をもとに、2025年にヘルスケアマネジメント協会(ヘルケマ)を設立。
アルコール依存症当事者として、11年を超える断酒生活を継続中。
経営者としての重圧と孤独の中で依存症に陥った自身の体験から、「誰もが安心して支えを受けられる社会の実現」を目指して活動を開始。
現在は、依存症予防、企業向けメンタルケア、飲酒運転防止など、社会に向けた啓発活動にも力を入れている。
私自身、経営者としての重圧や孤独の中でアルコール依存症に陥り、長い葛藤の末に断酒と回復の道を歩んできました。
この経験から、「依存症は意志の弱さや性格の問題ではなく、誰にでも起こりうる病気である」と実感しています。
しかし、今の社会では依存症に対する理解がまだ十分とは言えず、多くの人が偏見や孤独の中で苦しんでいます。
だからこそ、誰もが安心して支援を受けられる環境づくりを目指し、依存症の 「予防」と「早期対応」 に特化した支援団体としてヘルケマを立ち上げました。
依存症を正しく理解し、予防と回復を支える社会をつくる。
そして、すべての人が安心して自分らしく生きられる社会をつくる。
それが私の使命であり、同じ苦しみを知る者として、少しでも誰かの力になれたらと願っています。
一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会
代表理事 今野 義隆
1970年10月、福井県に生まれました。
幼少期から電気製品やオーディオ機器に強い興味を持ち、「誰かに喜んでもらえることがしたい」「人の役に立ちたい」「ありがとうと言ってもらえることが嬉しい」――そんな想いを胸に育ちました。
高校では電気科・情報電子コースを選択。大学への推薦もありましたが、「早く社会で実践を学びたい」との強い意志から、1989年に北村電機産業株式会社へ入社。現場での経験を重ね、「30歳で独立する」と心に決めていました。
1997年、より広い視野を求めて福井ヤナセ株式会社へ転職。
メルセデス・ベンツの営業を通じて、さまざまな経営者と出会い、学びを深める貴重な時間を得ました。
インターネットの可能性を感じ、NTTの代理店資格を取得。
2001年、情報通信関連の事業を展開する「ビットアーチ株式会社」を設立し、経営の第一歩を踏み出しました。
順調に拡大していた事業でしたが、2011年の東日本大震災による半導体不足により、主力商品の供給がストップ。経営は大きな打撃を受けました。
NTTの業務委託で事業を継続していたものの、将来への不安やストレスから、次第に心身のバランスを崩していきます。
眠れない日々が続き、疲労感が抜けず、耳鳴りや言葉の詰まりといった不調に加え、気力も失われ、何事にも意欲が湧かない――いわゆるうつのような状態に陥っていました。
そんな状況の中でも、支えてくださった方々のご協力により、事業を続けることができました。ビットアーチ株式会社は現在も運営を続けており、これまでの経験を活かした新たな価値提供に取り組んでいます。
病院では異常なしとされながらも、症状は悪化。自ら調べ、「レグテクト」という断酒補助薬にたどり着きました。
専門医の元に1年間通院し、断酒に成功。現在では断酒11年を迎えています。
断酒を機に心も前向きに変わり、「借入金を返済し、もう一度人生を立て直したい」という想いが強くなりました。
そして、支えてくださった多くの方々のおかげで、2019年に再び福井ヤナセに復職。ポルシェの販売に従事しながら、再出発を果たしました。
こうした経験から、「健康」と「再起支援」の重要性を痛感しました。
同じように苦しむ方、社会復帰を目指す方の力になりたい──。その想いが形となり、2025年、一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会(ヘルケマ)を設立しました。
人生のどん底を経験したからこそ寄り添えることがあります。
私を支えてくれた方々への恩返しとして、そしてこれから出会う誰かの希望の光となるために。
今後も、ひとりひとりの健康と人生の再起に寄り添う活動を、真摯に続けてまいります。